パーソナリティ障害の理由や背景

♦パーソナリティとは、その人が社会でうまくやっていくための独自の適応パターン(物事の捉え方や行動傾向)と考えられます。

♦そのパターンがかなり独特で常識から逸脱したものであれば、社会で馴染みにくくなり、周囲から病的とみなされることがあります。仮に精神科等を受診したなら、例えば「抑うつ状態に加えて境界性パーソナリティ障害が疑われます」といった診断を受ければ、「その人の境界性パーソナリティ障害という人格の偏りが、うつ状態を引き起こす要因になっている」と理解することができます。

♦パーソナリティ障害は、思春期以降に表れやすくなります。

♦パーソナリティの原型は、小学校へ入るころにはある程度完成されています。生まれながらの要因は多少あるものの、それまでの体験、主に養育者との体験がパーソナリティの形成に影響します。

♦子どものパーソナリティの方向性は、ハイハイやつかまり立ちを経て自分の足で歩くことができるようになる頃、すなわち本人の独立性や独創性、関係性の持ち方といった自立心が芽生えはじめる時期に、養育者(主に母親)がどのように関わっていたかということに大きく左右されることになります。

♦その時期に、「自分はこれでいいんだ」という「自己愛🖊=自分を自分で愛する気持ち」が、養育者により適度に満たされることがどなたにとっても必要なことです。

逆に大きく傷つけられることになれば、「もう傷つきたくない」という自分を守るための無意識的な動機から、自分なりの適応パターンを学ぶことになります。それが独特で逸脱した傾向へと発展していけば、パーソナリティの障害となってしまいます。

♦したがって、社会に適応するためのその人特有の適応パターンであるパーソナリティというのは、もとを正せば養育者に適応するためのパターンであると捉えられます。他の要因も加わり社会で適応が難しいものに変容してしまえば、パーソナリティ障害ということになります。

♦このように、どのようなパーソナリティ障害であっても自己愛の傷つき体験があり、その体験の仕方と生まれながらの性質やその後の体験、環境的要因などにより思春期以降、独自のパーソナリティ特性を帯びて固定化していくことになります。

♦パーソナリティ障害は、身近な人を無自覚に巻き込んでしまいます。それくらいご自身が深く傷ついてきた証でもあります。

♦以下のような障害が疑われてもご自分を一方的に責めるというのは違うのではないかと思います。

♦一方で、パーソナリティ障害は無自覚な人が多いように思われます。パーソナリティ障害だけを疑って受診する人は、あまりいらっしゃらないのが現状です。

妄想性パーソナリティ障害

♦いつか裏切られるに違いないという強い猜疑心に支配されており、不当な疑いを抱き続けます。

愛情と憎しみが表裏一体となっており、執拗な愛情を示していても、ひとたび裏切られたとわかると逆恨みが復讐に転じます。

親との関係において人を信頼できず愛情を信じられないものと捉える体験をしてきた可能性があります。

シゾイドパーソナリティ障害

♦人と関わることより孤独であることを好み、自分の世界を守ることを優先します。

♦喜怒哀楽が乏しく感情は淡泊に見えますが、実は繊細で敏感です。人と距離を置くことで自分を守っているところがあります。

♦精神性を重んじ禁欲的な傾向があります。同じことを続けるのも苦でない一方で、潔癖で頑固な面があります。

統合失調型パーソナリティ障害

統合失調症を発症していない状態と捉えられます。

独特の思考傾向と世界観がありマイペースで協調性に欠けるので変人扱いされてしまい、孤立したり阻害されたりすることがあります。

反社会性パーソナリティ障害

♦人としての心を捨て去ったかのように人を信じず他者への共感性もありません。

♦幼いころからずっと否定され続けた可能性があります。

友人や恋人も平気で害しむさぼり裏切ります。社会の規範やルールを守る意識もありません。

♦強い人間不信があり、親に対する失望と激しい怒りを抱えていて、それを社会に投影している可能性があります。

境界性パーソナリティ障害

♦自分に否定的で一人では生きていけないかのように他者にしがみつき、親のように面倒を見させようとする無意識的傾向があります⇒別ページ詳細🖊

演技性パーソナリティ障害

他者の注意や関心を引くことにこだわっており、自分を偽り別の人格や役割を演じたりするが、どこかわざとらしく大げさです。

♦また外見や性的な魅力で相手を引き付け、自分の価値を証明しようとする無意識的な傾向がある。

♦満たされることのない愛情飢餓を抱えている可能性があります。

自己愛性パーソナリティ障害

♦自己愛を満たす無意識的目的のために他者を傷つけ犠牲にすることもいとわない傾向があります⇒別ページ詳細

回避性パーソナリティ障害

♦どうせ自分はダメだと考え自信がなく否定的で、失敗や傷つくことを極度におそれてチャレンジを避けるなど何事においても消極的です。

♦どうせ愛してもらえない傷つけらると思い込み、対人関係も避けがちで学校や社会に出られない傾向がありますが、本当は人との触れ合いを求めています。

♦目立たず影のような存在で育ってきた可能性があります。

♦真面目な努力家で、親の求めに応じ頑張ってきたものの低く評価され褒められることがあまりなかったか、何らかのトラウマ体験があるのかもしれません。引きこもり🖊傾向があります。

依存性パーソナリティ障害

♦一人でいることが苦手でいつも誰かと一緒にいたがり、物事を自分で決められず他者にゆだねてしまいがちです。

♦また、嫌われることを恐れて自己主張せず相手に合わせてしまいがちで、自分が何を望んでいるのかわからなくなってしまうことがあります。

♦人から頼まれたり頼られたりすると拒否できないのは、見放されたり嫌われたりするのではないかと恐れているからです。

アルコール依存症やDVの夫と別れられない女性の方に多いパーソナリティです。

♦過保護で支配的な親に育てられた可能性があります。

強迫性パーソナリティ障害

責任と義務を重んじ信頼できる人ではありますが、自分に厳しすぎ完璧主義的でもありますので、うつ病になりやすいタイプです。

♦自分流にこだわり自分のやり方を他者にも押し付ける傾向があります。

杓子定規で融通が利かず、ひたすら頑張り楽しむことができません。

柔軟性に乏しく従来のやり方にこだわりがちなので、物事の流れについていけないところがあります。

♦じっとしていられず追い立てられるように生活をしています。


ご自分に上記のような傾向があると感じられる場合は、お話をしに来ていただきたいと思います。

ご自分の身に起きがちなことから紐解いていき、ご自分のパーソナリティに向き合い理解を深められ、否定するのではなく受けとめていかれるようになると、良い方向への変化が期待できると考えます。そのお手伝いをいたします。

また、身近な方のパーソナリティに病的な傾向を感じられる場合も、お話ししにきてください。

理解の仕方や関わり方についてお話し合いをしていけると良いと思います。

ご予約、お問い合わせをお待ちしております。