来談される方の中に「子どもとの関係がうまくいっていない」といったお話をされる女性がいらっしゃいます。一方で「親とうまくいっていない」といったお話をされる女性もいらっしゃいます。
前者は50代後半~60代後半の女性でご主人が退職時期前後の方が多く、後者は50代60代の親御さんを持つ女性でご結婚されお子さんをお持ちの方もいらっしゃれば、独身の方もいらっしゃいます。
■「子どもとの関係がうまくいっていない」
♦このようにお悩みの方のお話を伺っていると「孫に会えない」「将来を考えると不安で心細い」「子どもたちとうまくやっている友人や親せきがうらやましい」「(友人や近所の方と)子どもや孫の話ができない」「人に会いたくない」「これって普通じゃないと思う」といったことをおっしゃり、ご自分の状況をなかなか受け入れられないご様子があります。
♦お気持ちは理解できますが、いずれについてもご自分の価値観や感じ方、捉え方が基準になっていると感じます。多くの方は友人やご親せきとご自分とを比較する傾向があるのではないかと思います。
♦こうした傾向はおそらく、お子さんが幼い頃からあったのではないでしょうか。お子さんの感じ方や捉え方、感覚や個性を尊重して大事にするよりも、周囲の子どもとの比較で良し悪しや優劣を判断しがちだったのではないかと思います。
♦その傾向が強すぎると、子どもを否定してしまうことや、自分の思い通りに支配・コントロールしてしまうことにもなりかねません。
♦子どもに執着、依存、期待しすぎる理由や背景や親御さんそれぞれにあるのではないかと思いますので、そのことに向き合っていただけると良いと思います。
♦もしお子さんが距離を置いてるのであれば、親の関わり方や言動、考え方が偏ったもので行き過ぎていたのではないか、自分は否定され傷つき、我慢してきたんだと気づかれた可能性があります。
♦そうだとすれば、お子さんが悩み苦しみつつ、いろいろな人と出会い体験を重ねる中で、ご自分の生きづらさややりにくさへの理解を深められ、苦しい決断をされたということではないかと思います。
♦親御さんにとって望ましい選択ではなくても、お子さんの健やかな成長や成熟を誇りに思われ、お子さん個人の意思として尊重していただけると良いと思います。
♦親子が友だちのように仲が良い、いつもそばにいてくれる、言うことを聞いてくれるといった関係は一見良さそうですが、親世代と子世代が密着しがちでその境界があいまいになりやすく、親にとっても子どもにとっても決して良いこととは言えません。
♦お子さんが恐怖と不安から親に従い続けているのであれば、心理的負荷が積み重なり、いずれは精神的な不調をきたすことになります。こうした親子の関係性は、世代を超えて連鎖してしまう可能性もあります。
♦子どもの感じ方、考え方、ご自分とは異なる価値観を理解し、尊重できれば、関係性は良い方向へ変化する可能性があります。ただ、それを期待しすぎず、適切な距離を保ちながら、お互いの暮らし方や生き方、幸福感を大切にしていかれれば良いと思います。
■「親との関係がうまくいっていない」
♦20代以降の女性のご相談者の中には「親がしんどい」「話したくない」「距離をとりたい」と感じている方や、実際に「距離をとっている」「自分からは連絡しない」「何年も会っていない」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
♦一方で、そうしたご自分に対する罪責感や罪悪感も強く、本当にこれでいいのかというお気持ちもあるようです。
♦親と距離をとりたいと悩んだり、決断して実行するには、それぞれに理由や背景があると思います。ご自分やご自分の大切な人を守るためであったのかもしれません。それは理解できますし優先してよいことだと思いますので、罪責感や罪悪感は手放していただけると良いと思います。
♦「親不孝をしている」「冷たい人間ではないか」「自分は間違っているのかもしれない」と自分を責め、ひどいことをしていると心を痛めているのかもしれません。
♦一方で「親だから間違っていない」「お前を育ててやった」「親孝行は当然だ」といった言葉が繰り返し頭に浮かぶようであれば、子どもが離れていくことに強い不安と怒りを感じる親御さんから植えつけられた罪責感や罪悪感だと捉えていただけると良いと思います。
♦支配やコントロールが強い親御さんは、日常的に子どもに罪責感や罪悪感を植えつけるような言動や関わり方をする傾向があるからです。
♦それをする理由や背景がその親御さんにあるのでしょうが、それはその親御さんの問題で、子どものあなたが向き合う必要はありません。
♦これまでのことを振り返り理解し、親と距離をとろうと決断された(またはしようとされている)のですから、これ以上ご自分を苦しめないでいただきたいと思います。
♦むしろ、苦しかったご自分をいたわり、寄り添い、親と距離を置くと決めた(または決めようとしている)ご自分を認めて許し、尊重していただきたいと思います。
♦それは親の人生をなぞらず、ご自分の人生を生きることにつながります。そして世代間連鎖を断ち切ることにもなるのです。
♦ご自分が心地よいと感じることやご自分を肯定できる選択をされ、ご自分らしさに改めて出会い、ご自分の軸をしっかりと築いていく、その積み重ねがご自分の本当の幸福につながるのではないかと思います。
人は誰しも、自分の人生に責任を持ち、自分で決着をつけていくものだと思います。子どもに押し付けたり親に任せようとするのは違います。それでは自立した生き方とは言えませんし、自分の人生を生きることにはならないと考えます。
親や子どもとの関係に悩んでおられる方、向き合いたいと思われる方は、ご相談に来ていただけたらと思います。
お待ちしております。
