■怒りの理由や背景を知る
♦怒りは様々な状況や要因で刺激されます。
♦一方で、怒りを表出すると「関係性に影響する」「怖い人だと思われる」あるいは「恥だ」といった理由から、多くの方が怒りは面倒で扱いづらい感情と捉えているのではないかと思います。
♦したがって「怒らないようにしよう」「怒ってはいけない」と思いご自分にストレスをかけがちになります。
♦アンガーマネージメントといった怒りのコントロール方法もありますが、一時的な対処法としては有効であっても、根本的な解決にはつながらないように思います。
♦他方で、怒りはご自分を守るための最も手っ取り早い感情でもあります。ご自分の怒りを否定せず受け入れ、そうならざるを得ない自分を理解し、また寄り添うことができると良いと思います。
♦「自分に何が起きたのか」「「どうしてそこまで怒ってしまったのか」「いつまでも怒りが収まらないのはなぜか」など、その時々の怒りの正体についてご自分でわかっていくこと、ご自分の傾向について踏まえておくことが必要ではないかと思います。
♦怒りの正体がわかれば怒りをしずめることもできますし、意識的にコントロールすることもできます。
♦怒りは「二次感情」と言われています。怒りの前の一次感情があるのです。
♦例えば、恋人に会えないと言われた時に恋人に怒ってしまったとします。恋人には怒りっぽい彼女(彼氏)だと思われかねず、場合によっては喧嘩に発展しかねません。
♦ところが「さみしい」「悲しい」といった、怒り以前の一次感情に気づき、そのことを伝えられれば、喧嘩に発展することはなくなると思います。
♦もし、会えなくなった状況を「軽んじられた」「ないがしろにされた」といった自分に対する否定や拒絶と捉えてしまうなら、悲しみやさみしさより怒りの方が強くなり、瞬時に吹き出してしまうかもしれません。
♦一方で、会えなくなった状況により気分が落ち込み鬱っぽくなってしまう方もおられるでしょう。
♦「相手にも体調や都合がある」「私のことを軽んじたわけでもなんでもない」と肯定的に受け止められれば、怒りも落ち込みも感じないでいられます。
♦状況を冷静に把握し、相手も自分のことも客観的に見ることができれば、対人関係や恋愛関係は安定したものになります。
♦このような方は愛着のスタイルが安定していると捉えられます。
♦怒りっぽい人、また落ち込みやすい人は、物事を否定的に捉えやすい傾向があるかもしれません。
♦そうした関係性のパターンや心の癖がいつごろからどんな体験により身に着いたものであるのか、わかっていくことが必要になります。
♦カウンセリング当初は、「中学や高校では友だち関係がうまくいかなかった」「いじめのようなものを受けた」「「先輩や上司に嫌われていた」といった集団の中でのネガティブな体験をお話しされますが、さらに伺うと、家では妹(自分以外のきょうだい)の方がかわいがられ自分はよく叱られた、親が忙しくて構ってもらえなかった、むしろ親の愚痴や不満をきかされることが多かった、両親は仲が悪い、子どもの頃に離婚しているといった家庭の複雑な状況がわかってきます。
♦こうしたお話が多いことから、怒りっぽい方には性格的な問題とは別に、怒りが噴き出しやすい理由や背景があることが疑われます。
♦短気なのではなく、家庭の中ではむしろ怒りを出せずこらえ続けてきたのかもしれない、逆に親きょうだいから理不尽な怒りをぶつけられ傷ついてきたのかもしれない、そうした怒りや傷つきの蓄積があり、それと似た状況においてトラウマが刺激されてしまうのではないか、怒りが噴き出してしまうのではないか、「もうこれ以上傷つきたくない」「理不尽な目に合うのはもう嫌だ」また、誰にも理解されなかったといった悲痛な叫びではないのか、といったことを疑います。
♦乳幼児期に自己愛の傷つき体験があれば、自分を愛せません。自分を否定しがちであり、拒絶される存在として捉えがちになります。一方で、そういう自分を受け入れられず、他者への怒りや攻撃性はさらに強くなってしまいます。愛されない自分、また愛せない自分を否認し、その怒りや攻撃性を他者へ向けることになるのです。
♦こうした方は、愛着のスタイルが不安定であり、したがって恋人関係も不安定になります。
♦一方で、ささいなことで落ち込み鬱っぽくなりがちな人は、自分が悪い、自分がダメだと思い自分を責めがちだったり、見捨てられ不安が強いといった関係性のパターンや心の癖を身に着けてしまっている可能性があります。
♦怒りや攻撃性が強い方よりもやや成長した後の傷つき体験によるものかもしれませんが、やはり自己愛が傷ついている可能性があり、いずれにしても家庭内で身に着いた傾向と考えられます。愛着のスタイルは不安定傾向があります。
♦人はだれでも家庭内で身に着けてしまった関係性のパターンや心の癖を学校や社会での対人関係で繰り返す傾向があります。
♦恋人といった親密な関係であれば、さらにその傾向が強まり、親子関係で得られなかった世話や愛情を取り返すかのように密着して甘えや依存が強くなり、思い通りになることを過剰に期待する場合があります。
♦過剰な怒りは、過剰な甘えや依存、期待の裏返しといった捉え方もできます。
♦自分の怒り、また落ち込みやすさの正体をカウンセリングでわかっていかれると良いと思います。
♦そのことにより自分を責めたり否定したりせず、自分を理解し大切にしていただきたいと思います。そうしたことが、相手を責めたり否定したりせず大切にしていくことにつながるからです。
心当たりがある方はカウンセリングに来ていただきたいと思います。
ご予約お問い合わせをお待ちしております。
