子ども時代の分離不安が続ている

♦分離不安は子どもだけの問題というわけではありません。

♦お話をうかがっていると、子どものころからの分離不安が解消されていないと感じられる方がいらっしゃいます。

♦子ども時代に親との健全な愛着関係🖊を十分に育めず、自我が弱かったり精神的自立が不十分で未熟な部分が残ってしまっていたりする方は、親密な他者、例えば恋人や伴侶)、あるいはご自身の子供との密着を強め、依存的になる傾向があるように思います。

♦そうなれば、もともと親に対して抱いていた分離不安を相手を変えて抱き続けることになります。

愛着形成の不全🖊は、虐待🖊とか毒親🖊といった極端な家庭環境のみならず、周囲からは特に問題がなさそうに見える家庭においても生じます。

♦そもそも養育者自身に愛着形成不全があれば、それは子どもへと連鎖🖊する可能性があります。

♦また、母親に精神疾患等があれば育児に没頭することは難しく、またフルタイムでの仕事や親の介護等により育児に時間を十分に割けない状況においても、子どもに愛着の不全感が残る場合があります。

親にとっては手がかからず、家の手伝いやきょうだいの世話をよくするいい子だった、という肯定的な認識であっても、子ども自体は無自覚な愛着の問題を抱えてしまい、対人関係等に不安を抱きやすい傾向を持つ場合があります。

♦加えて、現代の少子化が親子の密着を強めてしまう要因になり得ます。

♦母子家庭、父子家庭においても同様です。また、しばらく前のコロナ禍といった閉鎖的な状況では他者との関わりが減り、親子ともに家庭にいる時間が増えてしまったことから親子の密着が強まり、分離不安を助長する可能性があったと考えます。

♦密着が強いと子供の自立を阻むことになりかねず、分離不安が強まるというわけです。

♦離れられない不安の正体、つまり精神的な自立を阻むものは「自分はこれでいい、これでやっていける」と思えない不安であり、それは突き詰めれば「愛されるか(愛されているか)どうかわからない不安」または「愛着の対象(主に養育者)を失う不安」「愛着の対象から見捨てられる不安」といったものかもしれません。

♦人は精神発達の節目、またストレス状況や突発的な問題が起きた際にそうした不安に襲われます。

♦その不安がクリアにならなければ本当の意味での精神的自立には至らず、いつまでも多少の不全感として残ってしまうことになります。

♦それが主たる不安の要因となり、絶えず何となく不安、何となくくさみしい、孤独といった思いを抱き、抑うつ的になったりする場合もあります。

誰に対しても絆を感じられない」「どこにも居場所がない」といった感覚に近いかもしれません。こうしたご自分を肯定することは難しいでしょう。

不登校や引きこもり🖊の大きな要因は、年齢に関係なく分離不安の側面があると考えます。

♦親との愛着形成が比較的健全であれば、ストレス耐性といった踏ん張る力につながりますし、他者に対して過度に警戒したり緊張したりすることなく安心感や信頼感を持つことができ、関係性を築くことや問題や争いが起きた場合も、それらを乗り越え関係性を維持していくこともできます。

♦不登校や引きこもりの方の不安や自信のなさというのは、親子関係における不安や自信のなさが根幹にあると考えます。

ご本人と向き合い、ご本人に対する理解と信頼、愛情を示し、それがご本人に伝われば、不登校や引きこりが解消され、母子分離を経て精神的自立へと舵を切っていく可能性は高いと考えます。

♦無事に進学や就職、結婚等を迎え親元を離れることになれば、親に密着することをあきらめなければなりませんが、愛着の不全感が残っている方は、他の親密な誰かに親の代わりを求めて密着や依存をしてしまうところがあります。

親との間の足りなかった愛着を取りもどすかのような無意識的、本能的、そして執拗な確認行動と捉えられます。

♦互いの密着が強くければ共依存状態🖊も容易に起こり得ます。つまり、共依存状態の方は双方に愛着の問題を抱えている可能性があるのではないかと考えます。

ご自分に分離不安の傾向がある、また家族や親密な相手にその傾向を感じられる方は、一度お話をしに来ていただければと思います。

カウンセリングの中でこれまでのことを振り返り、何が起きてきたのか、特に感情や気持ちを中心に改めて整理をしていただけると良いのではないかと思います。

理解が深まって行かれると、自然と変わっていかれるでしょうし、ご自分で意識的に変えることもできます。

抑うつと分離不安/喪失不安🖊」についても執筆しております。よろしければお読みください。