引っ越しや異動により通えなくなる、カウンセリング料金を払い続けることが難しい、といったやむを得ない事情のほかに、行くのが嫌になった、しんどくなった、苦痛になったといった理由で中断される方がいらっしゃいます。この場合、カウンセリングに来られる前に抱えておられた問題と同様の問題が、カウンセリングの中でも起きてしまい、苦しくなってしまった可能性が考えられます。
解決しようと思い来られたカウンセリングを、同様の理由で中断されることは大変残念なことであり、カウンセラーとしてもカウンセリングで何が起きたかについて、振り返る余地が大いにあります。
一方で、効果が期待できるカウンセリングほど、実は中断が多いのではないかと考えます。これまでのご自分を変えるということは、簡単なことではありません。悩みや問題の根っこが深ければ深いほど、また問題が生じてから長い時間が経てば経つほど、変えることが難しくなり、時間もかかります。それはまた、カウンセリングでつらい局面が多く、また長く続くことでもあり、当然中断につながりかねません。そこを乗り越えるのは、「変わりたい」というご自身の強い動機付けと忍耐力、また体力、経済力、周囲の理解などが必要であり、カウンセラーには、つらい局面をクライエントと共に乗り越える対処能力や技術力に加え、日々の研鑽、自身の人間性の向上も求められます。
また、カウンセリングを中断された方にとってカウンセリングは効果がなかったか、と言うとそれもまた違うのではないかと思います。中断しても、服薬をやめたときのように元の状態に戻るわけではなく、それまでのカウンセリングで得られた気づきや対処法、変化は、日々意識することで維持していくことができるからです。つまり、以前よりも良い方向へ少しでも変わっていると感じられるなら、そのカウンセリングは無駄であったわけではなく、意味あるカウンセリングであったと捉えてよいと思います。
しばらく中断されたのち、ぜひ再開され、終結まで完走していただきたいと思います。
カウンセリングは、カウンセラーとクライエントの1対1の関係性を基盤としています。カウンセリングルームという安全かつ安心できる環境のもとで、向き合い互いに心を開き、率直に伝えあい、目的や方向性を持ち、信頼関係を築いていく中で、カウンセラーのサポートによりクライエントがこれまでを振り返り整理をしながら、自ら気づき、変化し、成長していこうとするプロセスです。
誰にも言えない話ができるカウンセラーとのある意味密着した関係性の中で、クライエントにこれまで起きがちだった関係性の問題が再燃されます。例えば(どうせこのカウンセラーも)「私を見捨てる」「大事にしてくれない」「わかってくれない」「助けてくれない」「否定される」「嫌われる」など、これまで親や恋人といった親密な相手に抱きがちだった感情が無意識的に想起され苦しくなり、関係を続けられなくなります。対人問題や関係性のパターンを解消していきたいと思われるなら、こうした感情の波を乗り越え、信頼関係が続き、関係性が深まることの体験として積み重ねていく必要があります。
カウンセリングは、医師による投薬治療に比べると時間はかかりますが、中断することなく「もうだいじょうぶです、今後同様のことが起きても別の問題を抱えることになっても、どうにか自分で対処していけそうです」という終結を迎えられると、薬をのむ必要はなくなりますし、再び元の良くない状態に戻るということもありません。
カウンセリングを最後まで続けられ終結するということは、問題や苦悩を抱える前の状態に戻るということではなく、より成熟し進化したご自分になっていかれるということです。以前よりもご自分らしく生き生きと自由に生きていかれるようになります。
カウンセリングは、山あり谷ありの大変な道のりです。カウンセラーは伴走者のように寄り添い、様子や気持ちの理解、ペースや方向性の修正などに気を配り支えていきながら共にゴールを目指します。
中断された方のカウンセリングやカウンセラーに対する評価は、良くないものになるかもしれません。また、終結された人であっても「カウンセリングを受けてよかった」といった単純な表現ではとても言い表せないものでしょう。カウンセリングルームの口コミを、単純に受けとめない方がよいかもしれません。まずは、臨床心理士あるいは公認心理士の資格を有しているかどうかを、カウンセラーを選ぶ際の一つの基準としていただき、一時的な問題の解消や癒し効果といったものではない、ずっと長く効果が持続する意味のあるカウンセリングを受けていただけると良いのではないかと思います。
町田こころのカウンセリングでは、そうしたカウンセリングをご提供しています。一緒に乗り越えていきましょう。お越しをお待ちしております。
