発達性トラウマ障害は、発達障害傾向(ASD/ADHD)に加え、トラウマ症状を抱えています。発達早期の5歳ごろまでの主に家庭内で被ったトラウマ体験により、健全な愛着形成がなされず、その後遺症的に帯びる障害です。
例えば、養育者(親)が心身になんらかの疾患を抱えている、幼い兄弟の世話や他の事情で忙しく十分な世話をしてもらえない、あるいは養育者(親)自身がもともとトラウマを抱えており、子どもが愛情や安心、安全を感じられる関わり方が不足すれば、健全な愛着が形成されない結果となり得ます。
発達早期の愛着形成不全は、子どもの心身の発達や成熟に重大な影響を及ぼし、発達障害傾向とトラウマ症状を同時に抱えてしまいます。学校生活や集団行動、対人関係に問題が生じがちになり、次第に不登校傾向さらには引きこもり傾向に陥る場合もあります。
発達性トラウマ障害は、「学習や活動に集中できない、不注意で落ち着きがない、キレたり暴れたりする」といったADHDと類似した傾向、また人との関わりを避ける、協調性に欠け孤立しがち、といったどこかASDと類似した傾向も見られることがあります。加えて、トラウマ症状(再体験、回避、過覚醒や解離)のいずれか、さらには感情や衝動のコントロールの悪さ、激しい気分の変動、他者との関係性障害、自己否定感の強さといった複雑性トラウマ障害の傾向を帯びる場合があります。
発達性トラウマ障害と複雑性PTSDは症状や状態が複雑に絡み合うことから、鑑別は難しいと捉えられています。
※なお、発達性トラウマ障害は現在のところ診断名ではないが、複雑性PTSDは診断名となっています。
このような傾向がご自身やご家族にあると感じられる方は、お問合せやご相談に来ていただけるとよいかと思います。
これまでを振り返り、起きていた出来事とそのときの感情を改めて整理していかれると、気持ちが楽になり症状が改善され、今後についても見通しが持てるようになるのではないかと思います。
